「子どもの習い事、月いくらまでなら無理なく続けられるんだろう？」
そう感じている家庭は少なくありません。
ベネッセや教育関連企業の最新調査によると、小学生の習い事にかかる平均月謝は約1.6万円。ただし、兄弟が増えると負担は倍増し、家庭によっては「かけすぎかも？」と悩む声もあります。
この記事では、人気習い事ランキング・月謝相場・世帯年収別の負担感・費用を抑える方法まで、実例をもとに解説します。
小学生の習い事事情2024｜今どきの人気と通わせる目的
「今どきの小学生って、どんな習い事をしているの？」──そんな疑問を持つ保護者の方も多いでしょう。
教育熱が高まる一方で、運動や芸術など“体験型の学び”にも注目が集まっています。
2024年の最新調査では、約7割の小学生が何らかの有料の習い事をしており、半数以上が2つ以上を掛け持ちしているという結果もあります。
小学生の習い事の傾向は以下の通りです。
✅ 小学生の約7割が習い事をしており、平均は1.9個
✅ 人気ランキング1位は水泳、続いて学習塾・ピアノ・英会話が定番
✅ 男子はスポーツ系、女子は音楽・語学系が中心
✅ 高学年になると、受験や学習塾中心の傾向が強まる
ここからは、それぞれの項目を解説します。
習い事をしている割合と平均数
小学生の約7割が有料の習い事をしており、そのうち半数以上が2つ以上を掛け持ちしています。
習い事の数は平均して1.9個で、低学年では体を動かす系の習い事が多く、高学年になるほど学習系が増加しています。
特に小学3〜6年生になると、「楽しいから通う」から「将来につながるから続ける」へと目的が変化しているのが特徴です。
中学受験や英検対策を意識し始める家庭も多く、“楽しさと実用性の両立”を重視する選び方が主流になっています。
【2024年版】小学生に人気の習い事ランキング
2024年の最新データによると、人気の習い事ランキングは以下の通りです。
1位：水泳
2位：学習塾・公文式
3位：ピアノ・電子オルガン
4位：英会話・英語教室
5位：サッカー・フットサル
6位：習字
7位：ダンス
「水泳」「ピアノ」「英会話」など定番の人気は根強く続いていますが、ここ数年で「プログラミング」や「ダンス」などの新ジャンルが急浮上しています。
特にダンスは、学校教育で必修化された影響もあり、表現力を育てる学びに注目が集まっているのがポイントです。
また、学習塾や英語教室など“成果が見えるタイプ”の習い事も安定した人気を維持しています。
家庭によって心の成長と学力の伸びをどうバランスさせるかが、選び方のポイントになっています。
男女別・学年別の傾向
男女や学年によっても、習い事の傾向には明確な違いがあります。
- 男子：サッカー・野球・武道など、チームプレーや競争を通して成長するスポーツ系が中心
- 女子：ピアノ・ダンス・英会話など、表現力や語学力を育てる習い事が人気
- 高学年：中学受験を意識した塾・英検・算数特化クラスへのシフトが目立つ
学年が上がるにつれ、「好きなことを楽しむ」から「得意を伸ばす」「結果を出す」方向へと変化していく傾向があります。
家庭の教育方針や周囲の環境も影響しており、子どもの個性と将来性を見据えた選択をする家庭が増えています。
小学生の習い事の月謝平均はいくら？【最新データで比較】
「習い事って、月いくらくらいが普通なの？」──そんな疑問を持つ保護者の方は多いのではないでしょうか。
2024年の最新データによると、月謝の平均は1万6,676円で、3年前より2,000円以上上昇しています。
物価高や教室運営コストの上昇も影響しており、「気づけば習い事費が家計を圧迫している」という声も増えています。
✅ 小学生の平均月謝は約1万6,600円（3年間で約2,000円増）
✅ 年齢が上がるほど月謝も上昇し、高学年では2万円前後に
✅ 中学生になると塾費用が突出し、年間20万円を超えることも
ここでは、最新データをもとにした年齢別・学年別の月謝相場と、その背景にある要因を整理します。
全体の平均月謝
小学生全体の習い事にかかる平均月謝は1万6,676円です。
2021年の前回調査（1万4,471円）から2,000円以上上昇しており、年々右肩上がりの傾向がみられます。
この背景には、物価上昇による施設維持費や人件費の高騰が関係しています。
また、学習系や英会話などの“付加価値型”のレッスンが増えていることも、費用が上がる要因のひとつです。
実際、2023年の調査でも、4歳から高校生までの子どもを持つ家庭の習い事費の平均は月18,627円となっており、小学生のうちはまだ控えめでも、学年が上がるにつれて負担は増える傾向にあります。
年齢別・学年別の月謝相場
習い事の費用は、年齢や学年によって大きく異なります。
低学年ではまだ「体験中心」の学びが多い一方、高学年では塾や検定対策が加わり、月謝が一気に上がる傾向があります。
| 年齢・学年 | 平均月謝 | 備考 |
|---|---|---|
| 4〜6歳（未就学） | 約10,000円 | 習い始めの年齢層で、スイミング・リトミック・英語など体験中心。 |
| 小学1・2年生 | 約14,000円 | 運動と学習の両立期。スイミング・ピアノ・学研などを組み合わせるケースが多い。 |
| 小学5・6年生 | 約18,000〜20,000円 | 塾・英検・算数特化など、受験対策で費用が上昇。 |
| 中学生 | 約22,000円 | 定期テスト・受験対策で塾費用が突出。年間20万円を超えるケースもある。 |
学年が上がるにつれ、家庭の支出も増えるのは自然な流れです。
小学生のうちは比較的「習い事の掛け持ち」でバランスを取りやすいですが、中学生以降は「塾中心」の支出構造になるため、早めに教育費の予算を見直すことが大切です。
一番お金がかかる習い事ランキング【平均費用付き】
習い事の費用は、年齢や学年によって大きく異なります。
低学年ではまだ「体験中心」の学びが多い一方、高学年では塾や検定対策が加わり、月謝が一気に上がるのが特徴です。
| 年齢・学年 | 平均月謝 | 備考 |
| 4〜6歳（未就学） | 約10,000円 | 習い始めの年齢層で、スイミング・リトミック・英語など体験中心。 |
| 小学1・2年生 | 約14,000円 | 運動と学習の両立期で、スイミング・ピアノ・学研などを組み合わせるケースが多い。 |
| 小学5・6年生 | 約18,000〜20,000円 | 塾・英検・算数特化など、受験対策で費用が上昇する傾向がある。 |
| 中学生 | 約22,000円 | 定期テスト・受験対策で塾費用が突出し、年間20万円を超えるケースもある。 |
このように学年が上がるにつれて費用は確実に増えているのがわかります。
小学生のうちは掛け持ちでバランスを取る家庭が多い一方で、中学生以降は塾中心の支出構造に変化するため、早めに教育費全体の見直しが必要です。
| 学習塾・公文式 | 約19,000円 | 教科数で増減。中学受験組は高額。 |
| ピアノ・バイオリン | 約10,000〜15,000円 | 発表会費や楽器代で高額化。 |
| 英会話 | 約7,000〜10,000円 | オンライン利用でコスト削減可。 |
| 水泳 | 約6,000〜8,000円 | 定番人気・健康維持にも。 |
| ダンス・体操 | 約5,000〜8,000円 | 発表会費用あり。 |
| 習字 | 約2,500〜4,000円 | コスパが高く安定人気。 |
💡一番お金がかかるのは「学習塾＋芸術系（ピアノ・バイオリン）」。
初期費用・発表会・教材費を含めると年間20万〜30万円超になることも少なくありません。
世帯年収別に見る｜子どもの習い事費用のリアル
「うちはどれくらい習い事にお金をかけるのが普通なんだろう？」──そんな疑問を持つ保護者は多いのではないでしょうか。
実際、習い事の費用は世帯年収によって大きく差が出ることが、各種調査でも明らかになっています。
ここでは、年収別の平均支出と、兄弟がいる家庭のリアルな費用感を見ていきます。
✅ 年収400万円未満の家庭は、月8,000円前後に抑える傾向
✅ 年収400〜800万円では、月1万5,000円前後が目安
✅ 年収800万円以上の家庭では、月2万5,000円超が一般的
✅ 子どもの人数が増えるほど、支出はほぼ比例して上昇
ここでは、収入別の費用バランスと、兄弟がいる家庭のやりくり方法を解説します。
世帯年収ごとの平均支出
世帯年収別に見ると、子どもの習い事にかける金額には明確な差があります。
収入が少ない家庭では1つの習い事に絞って長く続ける方針が多く、逆に高収入家庭では複数の習い事を組み合わせて学びの幅を広げる傾向がみられます。
| 世帯年収 | 月の習い事費 | 特徴 |
| 〜400万円 | 約8,000円 | 1つを厳選し、コスパを重視する傾向。公営教室やオンラインを活用。 |
| 400〜800万円 | 約15,000円 | スイミング・英会話など、2つ前後をバランスよく選択。 |
| 800万円以上 | 約25,000円以上 | 学習塾＋ピアノ・スポーツなど複数を並行。教育投資への意識が高い。 |
年収が上がるほど、学習系と実技系を両立させる家庭が増加しています。
また、高収入層では「成果を重視する教室（マンツーマン・専門スクール）」を選ぶ傾向も強く見られます。
一方で、400万円未満の家庭でも、無料体験や自治体講座などを活用しながら、無理のない範囲で子どもの興味を応援しています。
兄弟・姉妹がいる家庭の出費事情
子どもの人数が増えるほど、習い事にかかる費用は比例して増えていきます。
たとえば、子ども2人で月3万円前後、3人になると月5万円を超えるケースも少なくありません。
この金額はあくまで月謝のみで、発表会費や道具代などを含めるとさらに出費がかさむ傾向があります。
そのため、多くの家庭で実践している節約方法は以下の通りです。
- 兄弟割引のある教室を選ぶ
- 同じ習い事に通わせて教材や道具を共有する
- 習い事を時期をずらして交代制で行う
このように、兄弟がいる家庭では「コストを分散させる工夫」が欠かせません。
家計全体では習い事費が“固定費”になりやすいため、手取り月収の5％を上限に設定しておくと安心です。
無理のない範囲で子どもの意欲を応援できる環境づくりが、長く続けるためのポイントといえます。
子どもの人数別で見る！家計を圧迫しない工夫
子どもが増えるほど、習い事の費用は確実に家計への負担を大きくします。
とはいえ、子供のやりたい習い事はやらせてあげたいと考える方も多いはず。
子どもの人数ごとの費用感と、出費を抑えるための具体的な工夫は以下の通りです。
✅ 兄弟が増えるほど、月謝総額は1.5倍以上に
✅ 平均的には2人で月3万円、3人で月4.5万円前後が目安
✅ 割引制度や自治体講座を上手に活用
✅ 初期費用・月謝・教材費を「分散」させるのがコツ
ここでは、家計を圧迫しないための工夫を、データと実例を交えて解説します。
子ども2人・3人家庭の費用感
とはいえ、家計を守りながら子どもの興味を応援する方法もあります。
多くの家庭では、次のような工夫で習い事費用を上手にコントロールしています。
- 兄弟割・家族割を活用する（スイミング・英会話などは割引制度が多い）
- 公営施設や自治体主催の講座を利用する（民間の半額以下になることも）
- オンライン習い事を併用する（英会話・プログラミングは特にコスパが高い）
- 教材・衣装の中古やお下がりを活用する（初期費用を抑えやすい）
これらを組み合わせれば、同じ内容でも年間数万円の節約につながると考えられます。
どこに通わせるかよりも、どう賢く続けるかが、家計と子どもの成長の両立ポイントです。
出費を抑える4つのコツ
子どもの習い事は工夫次第で、ぐっと家計への負担を減らすことができます。
たとえば、スイミングや英会話などでは兄弟割・家族割を設けている教室が多く、2人目以降の月謝や入会金が割引されるケースがあります。
また、公営施設や自治体の講座を利用すれば、民間スクールの半額以下で同等の内容を受けられることもあります。
さらに、最近はオンライン習い事の人気も高まっています。特に英会話やプログラミングは、通学の手間がなく月謝も安いため、コスパ重視の家庭に選ばれています。
加えて、ピアノやバレエのように初期費用がかかる習い事では、教材や衣装を中古やお下がりでそろえるのも効果的です。
このように、割引制度や公的サービスを上手に活用し、無理なく続けられる方法を選ぶことで、家計のバランスを保ちながら子どもの「やりたい気持ち」を応援できます。
「習い事にお金かけすぎ？」と感じたら見直したいポイント
子どものために始めた習い事も、気づけば家計を圧迫している──そんな不安を感じることはありませんか？
ここでは、家計全体で見たときの理想的な費用バランスと、見直しのタイミングを判断するサインを整理します。
✅ 習い事費は「手取り月収の5％以内」が目安
✅ 固定費として家計に組み込み、無理のない運用を
✅ 興味が薄れたとき・家計が苦しいときは一度立ち止まる
✅ 「やめる」より「一時休会・方向転換」を意識する
家計を見直し、子どもの成長を応援しながらも心にゆとりを持てる環境を整えましょう。
家計全体における理想のバランス
習い事の費用は、手取り月収の5％以内に抑えるのが理想的とされています。
たとえば、月の手取りが30万円なら1万5,000円、40万円なら2万円程度が目安です。
この金額は、「固定費」として家計簿に組み込むことがポイントです。
生活費や貯蓄、娯楽費とのバランスを意識しながら管理することで、無理なく続けることができます。
「教育費だから」と優先しすぎると、他の支出を圧迫してストレスの原因になることもあるため、家計全体の調和を取ることが大切です。
やめどき・見直しサイン
どんなに良い習い事でも、続ける意味を感じられなくなったときは見直しのタイミングです。
たとえば、次のようなサインが出ている場合は、一度立ち止まって考えてみましょう。
- 子どもが明らかに興味を失っている
- 家計が苦しくなり、他の支出を削るようになっている
- 習い事を「親の満足」で続けている
こうした状況では、「やめる」よりも一度休会して様子を見るのも賢い選択です。
また、「別の習い事に変える」「家庭学習やオンラインに切り替える」など、学びの形を柔軟に変えると、無理なく続ける道もみつかる可能性が高まります。
費用を抑えながら子どもの成長をサポートするコツ
子どもの習い事は、将来への“投資”のようなものです。
ただし、やみくもにお金をかければ良いというわけではありません。
大切なのは、費用と成果のバランスを見極めることです。
高額なスクールや有名講師よりも、子どもが「楽しい」と感じながら続けられる環境のほうが、長い目で見れば大きな成長につながります。
また、習い事を通して「お金の使い方」や「続けるための努力」を学ぶことも、子どもにとって貴重な経験です。
無理のない範囲で挑戦しながら、家族で応援する姿勢が何よりのサポートになります。
楽しさと節約を両立させながら、子どもの“好き”を育てていきましょう。
まとめ｜「お金をかけるより、続けられる環境づくり」が大切
小学生の習い事費用は平均月1.6万円。
決して安くはありませんが、家庭の状況に合ったペースと内容で選べば、無理なく続けることができます。
「お金がないから無理」と決めつけず、自治体・オンライン・家族割などを活用して、子どもの「好き」を支える工夫を。
習い事は“費用”よりも、“笑顔が続くこと”がいちばんの価値です。